太陽光発電所の運営コンサルティング・メンテナンスメニュー・報告書の例について紹介します。不具合対応の事例や実際のパッケージ化されたメンテナンスメニュー、報告書、管理表、ログ管理について実例を掲載します。
報告例① 太陽光発電所管理表の作成[低圧]+記録管理
低圧太陽光発電所の場合、電気主任技術者様がいらっしゃらないため、目視点検を定期的に行うことが望ましいです。目視点検はある意味、誰でもできるためその品質を維持するために報告書の内容をこちらから指示するなど工夫が必要となります。複数の発電所を所有されている事業者様向けには、全項目が一覧で確認できるフォームも用意しております。このように点検内容や不具合内容を記録として残しておくことで、万が一トラブルが発生し国からヒアリングを受けた場合、メンテナンス義務を果たしているエビデンスとなります。データご希望の太陽光発電事業者様はお問い合わせフォームよりお問い合わせください。
報告例② 太陽光発電所管理表の作成[高圧]+記録管理
高圧太陽光発電所の場合、電気主任技術者様がいらっしゃいます。電気主任技術者様は保安規定に準じて2ヵ月に1回等点検を実施されていますので、電気主任技術者様の仕事内容に合わせてメンテナンス管理表を作成していく必要があります。管理表作成においては、電気主任技術者様の連絡先は必須です。その理由は、災害が起こった場合に真っ先に連絡するのが電気主任技術者様だからです。発電所の基本的な点検は電気主任技術者様が実施しているかもしれませんが、国の指定する点検項目を網羅しているかは確認が必要になります。大手保安協会様だと、網羅している可能性もありますがパネル~接続箱間の接続箱~直流集電盤間の絶縁抵抗が抜けている例は散見されます。
高圧の場合、大型のPCSを設置されている事業者様もいらっしゃると思いますが、基本的にメーカーは5年毎の定期点検を推奨しています。弊社にメンテナンス内容についてお問合せ頂いた際、PCSの点検は必ず確認しています。
報告例③ 現地確認と改善報告書
定期的に現地確認を行い、改善報告書を作成しています。こちらにより事業者様は太陽光発電設備のポイントを押さえた確認を現地に行かずに実施する事が出来き、運用改善について検討する事が出来ます。
コンサルティング例① 出力制御のオンライン化
500kW以上の出力の方で、出力制御が始まり九州電力様へ憤りをお持ちのお客様からご相談を受けました。 出力制御のオンライン化にはもともと懐疑的で、出力制御が平等に実施されておらず太陽光発電事業者に大きな負担がかかっていることがおかしいと仰られており、九州電力様へもクレームで足を運ばれたそうです。
事象者様のお話を色々伺い、最終的なお困りごとはやはり出力抑制により計画より収益が下がっている事でした。そこで、改めていま行うべき事は収益の改善であることをお伝えし、出力制御のオンライン化がなぜ事業者様、九州電力様の双方へメリットがある仕組みなのかご説明し、ご納得いただきました。
導入して頂いた結果、オンライン化による出力制御の低減効果が30%以上ありご満足いただきました。
コンサルティング例② PCS定期点検の実施
太陽光発電所のメンテナンス内容についてご相談を受けた際、今まで何も手をかけてこずまた、特に大きなトラブルは発生していないと仰る事業者様がいました。運転開始から5年程度経過されており、まだ設備が新しく大きなトラブルは起こりづらい環境だったのかなと考えました。ただ5年経過後10年までの間には大きなトラブルが可能性は高くなり、その中で収益に大きな打撃を与えるのはPCSの停止です。まずはPCS定期点検から事業者様へ説明を行いました。
過去、真夏に換気ファンが緊急停止し、その影響でPCSも停止して連絡を受けたケースがあったからです。急ぎ現地を確認し、メーカーへ問い合わせてまずは機器の手配を進めました。その時は、PCSの停止原因確認のためメーカーによる現地調査が必要であったため、機器納品と現地調査の日程調整に一週間以上の時間がかかりました。対処の期間中は発電せず、事業者様の純利益からその期間の収益がまるまる逸失されました。
コンサルティング例③ 接続箱の交換
技術サポートを行う上で、現地確認を必ず行っています。そして、現地確認した中での改善事項や予防保全事項をまとめた報告書を提出しています。
電気主任技術者様の点検品質次第ですが、そこでトラブルの原因を突き止め逸失利益を防止しています。
例えば、海外メーカーの接続箱を使用されておりヒューズタイプで過電流が流れるとフューズが飛び安全を確保するシステムでした。フューズがいつ飛んだかもわからない為、事業者様はお困りでした。
そちらの事業者様へは、逸失利益を考え接続箱の取替えを、参考メリット計算と共にご提案させて頂きました。
コンサルティング例④ 軽除草の補助
野立ての太陽光発電設備では、定期的な除草を業者へ依頼されていると思います。除草時にはきれいな状態ですが、時がたつとパネルにかかる事があります。その点について定期的な除草業者から報告はない場合もあります。電気主任技術者からも写真などのしっかりした報告がなく、誰も対応しなければ利益を逸失します。弊社のプランは現地確認+軽作業が基本ですので、パネルにかかっている部分の草はその場で刈り倒します。それにより利益の逸失を防ぎます。
コンサルティング例⑤ 除草業者へのマニュアルを基にした指示・指導
太陽光発電所を運営されている事業者様は除草を業者へ依頼しお任せされていると思います。その場合、除草業者の考え方次第で作業内容や報告方法が変わってきます。その品質の違いから逸失利益が発生する事があります。そういった事業者様向けに、弊社では除草マニュアルを除草業者へお渡しし、入場時の報告や報告書の書き方、作業前のKY(危険予知)の指導を直接おこないフォローします。
コンサルティング例⑥ 除草業者のトラブル対応
熊本の除草業者で、除草中にケーブルをカットし対応方法について相談を受けたことがあります。先ずは除草業者に切ったケーブルの種類を尋ねましたが、その線が幹線なのか、通信線なのかストリング線なのか分からないようでした。遠隔の監視画面上では出力が0になっている箇所があり、切ったことだけは間違えありませんでした。こちらで現地確認を行い、是正を含めた補修対応を指示し、今回なぜケーブルを切ったかヒアリング、予防保全のため危険個所への目印、作業前のミーティング、危険予知などを実施しました。
コンサルティング例⑦ 発電所情報の一元管理
太陽光発電設備を複数運営されている事業者様は多くいらっしゃると思いますが、情報を一元管理でしっかりと取りまとめていらっしゃる方は少ないかもしれません。弊社では複数の太陽光発電所のすべての情報を、1シートのエクセルで管理しすぐに情報が引き出せるよう管理するサポートを行っています。このことにより都度都度、発電所の情報を調べる手間がなくなり運営の効率化、抜け漏れをなくす事が出来ます。
コンサルティング例⑧ 法面崩落と行政対応のフォロー
現地で小規模な法面崩落が発生し、復旧方法についてご相談を受けたことがあります。現地を確認し状況を整理、復旧と補強対策を検討するため造成を行った設計会社との打ち合わせの場を設けました。今後、太陽光発電所の転売を検討している物件でしたので慎重に対応を検討し、敷地境界の確認を行政と調整、行政の意向を踏まえた復旧方法の方向づけを行っていきました。
コンサルティング例⑨ 不具合パネルの出力保証についてメーカーと協議
太陽光発電事業者様より出力低下の相談があり、低下してるパネルを調査し特定しました。パネルの1枚の不具合により1ストリング12枚の出力が低下しており、パネル取替が必要でしたがパネルに目立った外傷はありませんでした。調査結果としてはクラスター断線のでしたが、ただ取り換えるのではなくメーカー保証について事業者様へ提案、メーカー指示による測定を再度行い保証を受けることができました。
コンサルティング例⑩ 発電所の頻繁な停止に対する電力会社協議
電気主任技術者の方より不足電圧の検知による発電所停止が頻繁に起こり、そのたびに現地に向かう必要がり困っていらっしゃいました。その点について、事業者様はしょうがないと考えられていましたが発電所の設置場所が僻地であることから系統側(九州電力送配電)
に問題があるのではないかと考え、電力会社と協議し整定値の変更を提案しました。この設定変更により発電所の停止頻度が激減し逸失利益の改善につながりました。
コンサルティング例⑪ 接続箱・直流集電箱内の頻繁なブレーカートリップ
太陽光発電所を運営する中で、ブレーカーのトリップを経験される事業者様は多くいらっしゃると思います。お問い合わせいただいたのは、接続箱内の入力ブレーカーが頻繁にトリップする事象についてでした。通常、遮断機(ブレーカー)の頻繁なトリップが起こる場合は地絡を疑います。トリップする対象の配線内で地絡(漏電)が起きていないか確認する必要があり、絶縁抵抗測定を実施して確認を行います。それによって不具合がある事を確認し、配線の状態から断線や欠損、劣化部分を見つけ取替えを行います。
しかし、絶縁抵抗測定では不具合が見つからないケースもありました。その場合は、完成図書からブレーカーの定格入力電流を確認し、パネルの動作電流(最大電流)から計算し、定格値に収まっている事、温度上昇による定格電流の低下裕度をどれくらい見ているのか確認を行います。定格電流の裕度があまりにもない発電所があり、遮断機の交換を提案しました。
太陽光メンテナンスサポートが解決できること [逸失利益の発見]
弊社はパネルの交換、機器の交換を行う会社ではありません。逸失利益の原因を発見し、将来利益を損ねないよう技術サポートをする会社です。逸失利益は、発電所の出力に限りません。事業者様が対応されていたトラブルや管理を太陽光専門の弊社で引き受け、事業者様が本業に割く時間・労力を創り出す事でメリット[逸失されていた利益]をご提供できると考えています。
サービス開発に至る経緯
開業当初、太陽光のメンテナンス会社としてご説明し、当社のサービスをお客様に十分ご説明できない時期がありました。「既にメンテナンス業者と契約しているので業者は不要です。」「施工会社に面倒を見てもらっているので業者変えの検討はしません。」そう言ったお声をいただく中、うまく弊社の役割を説明できず、お断りをされるケースが多くありました。
確かにすでにメンテナンスを協力業者へ依頼されている場合、特に理由なく業者変えをすることは心理的な負担が大きく、手間もかかるため、聞きたくもないという場合があると思います。現在のメンテナンス体制等と発電量に満足されている場合、弊社は求められないと思います。
ただ、弊社の強みであるオペレーション(運用管理)と技術サポート(収益改善)を軸とした発電量を増やす施策、制度に対応し収益を改善したい、現在のメンテナンスに問題ないのか確認したい、という思いに応えられるものと考え、発電量の向上を付加価値とした点検業務をメニューに組み込むプランをご提案するようにしました。
その中で、メンテナンス会社というポジションではなく、発電所の設備、発電所の管理、メンテンナンス会社をチェックし収益増加を目指すポジションでご依頼を頂くことが増え、その一環でメンテナンス業務を行うこともありますが、多くは運営のご相談に乗る形となりました。ご相談の中で、お客様の本当のお困りごとを見つけ解決へ導いていった事が現在の弊社のサービスにつながっています。